法人独自の取り組み

2021年02月16日 農福連携事業

#農福連携 #117「下畑・上香月の土が育ってきた証(あかし)とそれまでの苦労」

 

見事な大根が収穫できた。5年目にして初めてのことだ。私たちの農福の取り組みは、耕作放棄地、遊休地からスタートしている。

いま振り返ると、耕作放棄地は期待するほど地力がなかったことに気づかされる。

 

野菜を育て、収穫し、残渣はすきこんで、また耕運をする。時折、地域の方から公園で刈った草や河川敷の単年草を譲ってもらいそれを枯らして、すきこんできた。そうすることで、地力が向上していった。

結果として、時間はかかったが、自然の地力の回復とほぼ同様の過程を辿ったと思われる。

耕作放棄地の解消や再生などの社会課題の一つを解決していく活動センターの利用者の貢献度は非常に高く、尊い取り組みであったといっても過言ではない。ただ、よくよく考えると、疑問も沸く。

多様な困難を抱えた人に誰も見向きもしない耕作放棄地など、条件がよくない土地を再生していくことを美談にして、さもいい取り組みをしているとまつり上げる。

条件が厳しい捨てられた土地、つまり働きにくい土地を働く場所のない人々に与えて、さあ、工賃があがるからやってみようなどと無理難題なのではと思いを抱く時期もあった。現実に、トイレがない、日陰がない、土はガチガチ。働く利用者は働くには困難を極め、早期の工賃化には不向き。

そんな苦労な中、なんとしても農産物の生産から増産、流通の確保、技術の向上、そして工賃の実現化などの利用者利益に直結すると必ず信じて継続してきた。

やっと、ものが育つ環境ができてきた。土を育てるのは人を育てるのによく似ていると思うし、自分自身の成長も実感できる。

あとは、工賃をどう向上させていくかが残っている。いわゆるマネタイズだ!こんな立派なだいこんが作れるようになった利用者の技術、思いを

社会に何とか示して、適正な価値で評価をしてもらえる日を早期に実現したい。

(写真は、ご本人様の同意を得て、撮影、掲載したものです。)

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