法人独自の取り組み

2020年09月28日 農福連携事業

#農福連携 #104 「課題克服へ・・・。育苗に挑戦中!」

活動センターの敷地内で野菜を育て初めて5年で一番の課題となっているのが、「育苗」である。

とくにアブラナ科の苗、たまねぎの苗など発芽以降に気をつかう苗たちが強い苗になったことはほとんどない。

育苗で野菜は90%できたというくらい重要な作業である。なので、もっとも神経すり減らす工程でもある。

本来は、育苗用のハウスに適切な温度管理された空間、散水などの条件がそろっていい苗が育つ。しかし、活動センターにはそんなものはない。だから、できない、なんて言わない。とにかく、同じような条件、場所はどこか探した。温度差がさほどなく、直接、おひさまが当たらない場所、そう木陰にいきついた。
活動センターの大きな巨木は開設当時、建設に携わった業者から寄付されたもののようだ。いままでは、西日を遮ったり、景観をよくしたりする役割があった。さらに木陰を利用することで育苗をする場所なり、その巨木の役割は増えた。つまりその巨木にはもともと恩恵をもたらす役割があることに気が付いたことになる。

また、光は一日中当たる必要があるのではと思っていたが、勉強すると、光合成には上限があるらしい。つまり一日の中で何時間光を必要としているか野菜により違っている
ことがわかった。試行錯誤は多くの学びをもたらすことに気づいた。

今回は、スティックセニョール(茎ブロッコリー)の様子であるが、セルトレーで128穴に一粒一粒種を撒いた後、たっぷりと水を撒いて、新聞紙で覆った。そのものを活動室内で冷房を効かせて、発芽まで置いた。その後、木陰に置き、寒冷紗をかけ、散水など世話を続けた。土日関係なくだ。人間に例えると生まれたばかりの赤ちゃん。保育器にはいっている状態と同じと言っても過言ではないだろう。だから慎重な育て方が求められる。

今回も育苗の失敗の経験から、セルトレーから、今度はポットに移植して、さらに苗を大きくするのと同時に、根をよく張るようにする。そのことで、畑の畝に定植した際は、
活着がよくなり、茎も葉も大きいため、ヨトウムシなどの食害にも耐えうる個体となる

手間や生産性を考えると、農家さんは絶対にやらない手法だが、命を育てることや大切にすることや向き合うことは、利用者にとって心理的効果も期待される。
いま農福連携は共生社会の実現の手段のひとつであることや地域づくりのひとつになるといわれている。実際にやっていて、そう感じるし、そのほかの魅力もきっとありそうと期待している

(写真は、ご本人様の同意を得て、撮影、掲載したものです。)
#農福連携#自然栽培#農福#農業#農業と福祉#就労支援#就農支援#障害者雇用#SDGs#ダイバーシティ#共生社会#社会課題解決