法人独自の取り組み

2021年06月16日 農福連携事業

#農福連携 #93 「3年目の挑戦!自然栽培もち米」

今を遡ること、3~4月。圃場にでることのできない重度の利用者が種籾一粒一粒の選別と先の部分(ひげ)をとる作業を担っている。気の遠くなる仕事。

圃場で活躍している利用者はこのことを知っている。誰も欠かすことのできない作業工程のおかげで田植えができている。

上香月の水田には、3kgの種籾がひつようだ。自然栽培では農薬を使っての消毒ができので、だから、温湯消毒という方法をとる。

 

これは、60度の湯で10分間、お湯に種籾をつける。そして引き上げ、流水で温度をさけて乾かす。翌日に、苗箱に一粒一粒撒く。

 

それをスズメが狙ってくるので、寒冷紗をかけ、光が強すぎると発芽しにくいこともあり遮光ネットなどをかけて、丁寧に育てる。撒いてから1ヵ月かかる。

その苗箱に朝と夕方にたっぷりと水をかける。一日も欠かすことができない。したがって、週末など閉所日も公休日を全部つぶして水撒きにくることになる。職員の自己犠牲の上に成り立っている。このことはあまり知られていない。

一方、田植えの準備となる水田は地域の水路清掃に参加し、水利権も利用させてもらいながら、丁寧に地域との関係性を構築しなければならない。

田に水が入る前に、耕し、水が入ると代掻きを行い、田を水平に保つようにする。ここまで田植えの準備となる。

さて、6/15~17の3日間かけて、田植えを実施した。もちろん全部手植え。苗数は慣行栽培では4~5本。間隔15cm。自然栽培では2本。間隔は30cm。一見するとスカスカに見える田であるが、自然栽培では、稲苗の分蘖に重きを置く為、苗2本で植える事を教わった。

スカスカでもほとんど慣行栽培と遜色なく収量もあがることが知られている。今年も同様の収量を期待して、丁寧に植えた。

今回は、あかね幼稚園と一緒に田植えをする予定にしていたが、コロナ禍で見送り。利用者も子どもたちもとても残念がったようだ。

ただ、代わりに田植えをして、11月の稲刈には一緒にできるよう育てていく旨を伝えている。それまでの間、あかね幼稚園との交流が途絶えてしまうことを心配して、にしかつマルシェをあかね幼稚園でもできるようになった。このマルシェはいわゆる無人販売所である。

我々が下畑に上がる途中にあかね幼稚園があるため、そこに野菜を置かせてもらい、子どもたちのご家族やそこの職員が買ってくれるかもしれないという。

わざわざあかね幼稚園の先生方がチラシをつくってくださり、家庭への連絡をしてくださった。これで、小さい販売所が3所となった。

いろいろな販路拡大はあるが、地域とつながったやり方に繋がるとは思わなかった。利用者とのコミュニティーのつながりを構築していくことが、やがては大きなものへ発展することを期待している。

(写真は、ご本人様の同意を得て、撮影、掲載したものです。)

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