法人独自の取り組み

2021年05月26日 農福連携事業

#農福連携 #88 「地道な作業は、小さな感動を産み、結果として大きな収穫に繋がるものである」

農福が最も輝いて見えるのは、彩り鮮やかな野菜を収穫したり、販売したりするときが想像されるが、実はそうではないと感じている。そこに至るまでの過程が最も重要で、意義深いものである。

それは、一見、地味な作業であり、ひょっとすると誰もやりたがらないことかも知れない。今、農福にとっては、農繁期であり、夏野菜の定植などを前に、春先の収穫し終えた野菜を片付ける仕事が中心となる。そのため、出荷できる野菜は一時的にストップしてしまう。しかし、圃場を綺麗にしないと次の時期の野菜の植え付けが万全に臨めない。

片付けを具体的に言うと、マルチを剥がしたり、マルチが残ったのを拾ったりすることが中心となる。この作業たちは、雑草が絡まって一苦労となるが、利用者たちは否定的な態度を一切に見せず直向きにこれに取り組んでいる。その姿はいつ見ても感動してしまう。

けして派手ではない作業を、必死になって向き合っている。「必死」になるということはこういうことを言うのだろうといつも感じさせる一幕である。

毎回、本人たちにこの作業の感想を一度も聞いた事がない。いつも会話するのは、「お疲れ様」という労いの言葉くらいだ。「疲れ」を丁寧に「お」をつけさらに、「様」でいう「お疲れ様」という言葉をいつも利用者に対して敬意をもって発している。いつの間にか、利用者が福祉サービスの消費者ではなく、野菜をつくる生産者として、社会に対して関係性ができたのは大変嬉しい。

野菜の生産現場の一番近い場所にいる利用者が、地道な作業の積み重ねをとして、「働く」という尊い、見えないものを気づける様になるとしたら、農福のもつ力は大きい。

(写真は、ご本人様の同意を得て、撮影、掲載したものです。)

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