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2021年05月13日 研修

第1回「精神障害支援者研修」/「精神疾患を正しく知ろう」をテーマに研鑽

第1回「精神障害支援者研修」が4月28日、戸畑区の「育成会会館」で開催され、北九州障害者しごとサポートセンター、クラルス、飛翔館の職員のほか、希望の管理職など約30人が参加した。

育成会では、中期経営計画の4つの柱のひとつ「良質かつ安全なサービス提供の実現」で「専門性の向上」を掲げており、今回、精神障害への理解を深めることを目的に同研修を実施した。この日は、西南女学院大学保健福祉学部福祉学科の今村浩司教授を講師に招き、「精神疾患を正しく知ろう」をテーマに講義が行われた。講義では精神障害者に対する制度の歴史や統合失調症、感情障害を中心とした精神疾患の症状の特徴、支援のポイントなどが説明された。統合失調症の症状の特徴としては、被害的な内容の幻覚・妄想が中核の「陽性症状」、注意・集中・持続力や実行機能(優先順位付け、臨機応変な対応)が減退する「認知機能障害」、無為・無関心な状態となる「陰性症状」がある。支援のポイントとして金銭管理、身だしなみ等が不得手になる、場の空気が読めないなど「生活のしづらさ」を理解することが大切で、ほかにも「話は遮らず傾聴し共感する意識を持つ」「いつもと違うことがあれば、医療機関に連絡する」ことなどが重要となる。気分(感情)障害として、躁状態とうつ状態が現れる躁うつ病(双極性障害)とうつ状態のみが現れるうつ病の説明も行われた。

最後に講師は、「これらの知識を基に対応していくが、ケースバイケースであり、医療と連携しながら対応していくことが重要。また、病状だけでなく、本人がどうしたいか意思決定支援が大事になる」ことも述べられた。参加者からは「支援のポイントも学ぶことができ、勉強になった」などの感想が聞かれた。なお、同研修は今年度、全3回を予定している。(写真上は「精神疾患を正しく知ろう」をテーマに講義を行う今村教授、下は講義内容に真剣に聞き入る職員)