法人NEWS

2021年02月17日 研修

3年次職員研修/「法人における当事者活動の取り組み」をテーマに意思決定支援など研鑽

学卒3年目の職員を対象とした第6回「3年次職員研修」が2月9日、戸畑区の「育成会会館」で行われ、11人が参加した(写真)。

この日は、インクルきくの奥村安德事業所長(当事者活動推進委員会委員長)が講師を務め、「法人における当事者活動の取り組み」をテーマに講義を行った。育成会では各施設・事業所で当事者活動を推進しており、平成23年度からは法人全体で当事者活動を進めていくため「当事者活動委員会」を発足。当事者活動委員会では、「自分たちのことは自分たちで決めていくこと」を目的に当事者自身が活動内容を決定。学習や交流などを通し、発信する力を身に付けていくため活動している。その運営を職員で構成される当事者活動推進委員会がサポートしている。

講義では、委員会発足から現在に至るまでの経緯、当事者自身で企画・運営した外出活動の様子などが写真を交え紹介された。また、発足当時は推進委員会の当事者への関り方や関係構築などで課題が多かったことや、何度も話し合いを重ね、試行錯誤しながら現在の当事者の意思を尊重した活動内容となったことなども伝えられた。さらに、「日頃、職員に対して自分の気持ちを伝えられているか」をテーマに当事者が意見交換を行ったときの委員会の動画が紹介されたほか、意思表出支援や信頼関係の構築など現場での意思決定支援方法についても説明が行われた。最後に奥村事業所長は「支援員の意思決定支援能力の向上が必要。意思決定支援について知識・技術・経験を深め、現場の支援にあたってほしい」と述べ、参加者は熱心に聞き入っていた。参加者からは、「どんなに重い障害があっても意思はあり、自分の考えや思いを表出することが難しい知的障害者には意思決定支援が必要であることを学んだ」「意思表示の難しい利用者には、選択肢を提示し指差しで選んでもらうなど工夫をしていこうと思う。今後の支援に活かしていきたい」などの感想が聞かれた。